電子トリガーが普及してキレキレハイレスポンスな電動ガンが最近のトレンドですが、ブッシュを抜いたり、制圧射撃にはまだまだハイサイクルが有効。
狙うサイクルによってカスタムレシピは変わってくるので、目標とするサイクルごとにこんな感じのカスタムをするといいよ〜という話をしていこうと思います。
目安
目安となるのは東京マルイのハイサイクル電動ガン。
マルイのハイサイクル電動ガンは8.4vの標準バッテリー駆動で25RPS(秒間レート)という性能です。
次世代電動ガンが12,3発くらいなので、ざっくり倍くらいのサイクル。
20発を超えてくると「サイクル早めだな〜」と感じるようになります。
イメージとしてはこんな感じです。
- 秒間10発 低サイクル
- 秒間15発 標準的
- 秒間20発 ちょっと早め
- 秒間25発 ハイサイクル
- 秒間30発 めちゃんこ早い
- 秒間40発 ぶぉぉぉおおおん
- 秒間50発 人に撃つものじゃない
とりあえず今回の記事では「このパーツの組み合わせで大体このくらいのサイクルになるよ」というような話をしていこうと思います。
サイクルに影響するパーツ
パーツを組み替えながら狙い通りのスペックを目指してカスタムします。
以下のパーツ群をいい塩梅に組み合わせて狙った性能を出すのがハイサイクルカスタムの醍醐味です。
バッテリー
バッテリーには電圧と電流という2つのパラメーターがあります。
電圧が高ければモーターにより強い磁力を発生させることができ、より高サイクルが実現できます。
電流が多ければ、モーターに負荷がかかっていてもスペック通りに近いサイクルを出すことができるようになります。
電動ガンに組み込まれたモーターにはスプリングのテンションがかかっているので、空転時と同じサイクルで回ることができません。
より電流が多い=Cレートが高いバッテリーを使うことで、空転速度に近い速度でモーターを回すことができるようになります。
上記の記事でCレートの異なる二つのバッテリーでサイクルが変わっている様を紹介しました。
おすすめのバッテリーは下記に紹介しているので、よかったらご覧ください。
モーター
モーターには個性があります。
たとえば東京マルイのモーターひとつとっても、トルク極振りのサマリウムコバルトモーター(通称サマコバ)から、
ハイサイクル電動ガンに搭載されている、ハイサイクル寄りのEG30000まで、さまざまなモーターがあります。
G&Gになるともっと極端です。
EG1000よりさらにサイクルが低くてトルクの高いバジリスクモーターから、
40000RPMというとんでもない回転数のタラリアまでラインナップしています。
この後のチャプターで、どのモーターをどんな風に使うとどんなサイクルが出やすいか解説していきます。
ギア
ハイスピードギア
サイクルを上げるためにギアに施せるカスタムは2つあります。
ひとつはギア比を下げること。
普通の電動ガンに標準搭載されているギア比は18:1。
18:1ということは、1発発射するときにモーターが18回転するということです。
それを13:1まで下げれば理屈の上では18÷13=1.38なので、4割弱サイクルが上がる計算になります。
自転車で重いギアを使うのと同じことが起きるため、同じパワーのバッテリーを使っていると理屈通りの効果が出るわけではありませんが、サイクルは確実に向上します。
逆に、他のカスタムを施さずにギアだけをハイスピードギアに変更すると、レスポンスは低下します。
レスポンスとスピードは自転車のギアと同じでトレードオフであると覚えておきましょう。
もうひとつの方法はセクターカットです。
セクターカット
個人が綺麗にセクターカットするのは結構大変なので、筆者はセクターカット済みのギアを購入することをおすすめします。
セクターをカットすると、スパーギア≒モーターがセクターギアを引く容量が減るのでサイクルが上がります。
自転車の空気入れのポンプは、深く動かすより浅く動かした方が、同じ運動量で多くの回数ポンプできるのは想像できますよね?
でもそれだと一回あたりの吐出量減らない?
と思いますよね。その通りです。
1サイクルあたりのエアの吐出量が減るので初速が落ちます。
マルイのハイサイクル電動ガンの初速が85前後と少し控えめなのはこの効果のためです。
一般的にセクターギアを1枚カットすると初速は0.2g弾で5m/sくらい落ちると言われています。
じゃあその初速はどうするのかというと、スプリングレートを上げて補います。
↑流石にM120はやりすぎですが、何本かレートの違うスプリングを買って試すのがいいでしょう。筆者はいつもそうしてます。
でもそれだとギアへの負荷が上がってサイクル落ちるのでは?
せや!だからハイレートバッテリーでゴリ押すんや!
そうするとメカボへの負担が…
だからハイサイカスタムはメカボに負荷がかかるんよ
・・・・・・
ダブルセクターギア
ハイサイクルを目的としたセクターカットは2、3枚にとどめるのが一般的なのですが、
「ええい8枚カットしたれ!その代わりセクターギアおかわりで裏側にもつけたれ!」
というキワモノカスタムパーツがダブルセクターギア(DSG)です。
キワモノ系ではありながら安上がりなので、筆者は手元のスタンダード電動ガンを手っ取り早くサバゲーでゴリゴリ使いたいときにはよくこのカスタムを施します。
先述した通り初速はガッツリ落ちるので、通常カスタムでは使わないようなハイレートスプリングで初速を稼ぐことになります。
当然メカボへの負担も相応に高くなりますが、サイクルアップの効果は歴然。
18:1のスパーギアを使っていても、実質ギア比は9:1となるので、13:1以上のハイサイクルが期待できます。
また、大胆なセクターカットの効果によりレスポンスも劇的に向上します。
そんなDSGカスタムのやり方は下記にまとめておいたので、興味がある方は読んでみてください。
スプリング
スプリングは柔らかければ柔らかいほどサイクルが上がります。
スプリングの硬さ≒ギアにかかる抵抗
なので、柔らかいほどサイクルがモーターの空転速度に近くなります。
とはいえ柔らかくしたら初速落ちるやろ
せやねん
というわけなので、サイクルを上げるためにもスプリング以外の方法で初速を稼ぎましょう。
東京マルイの電動ガンでできることはほとんどありませんが、海外製の電動ガンの場合は気密を見直すことで、スプリングに頼らずとも初速を上げられることが結構あります。
極端なショートバレルを除いて、筆者の体験上90m/s(0.2g弾)を狙うのであれば以下のスプリングで十分です。
DSGを使う場合はM120くらいから設定を詰めていくといいでしょう。
基本的にセクターカット1枚あたり5m/sくらい落ちるので、同じ初速を維持するのであれば、
くらいの感覚でカスタムすればOKです。
ただ、スプリングのM〇〇はメーカーによってかなり差があるので、スプリングは買い込んで色々試す他ないのが現状です。
さあハイサイクル電動ガンを作ってみよう
やっと本題です。
個別にカスタムレシピと過程を紹介しようと思いましたが、ものすごい文量になってしまいそうなので、個別には使用するパーツだけ書きます。
今後随時加筆修正していくのでご参考までに。
プチハイサイクルの20RPSを狙ってみよう
20RPSはいくつかのカスタムレシピがありますが、あまり難易度は高くありません。
運さえ良ければメカボを開けなくても到達できることも。
ぶっちゃけ20RPS出てキルできないなら銃のせいではなく射手のせい
カスタム記事でそういうこと言うなよ
筆者がサバゲー始める前から存在する(であろう)プチハイサイクルカスタム。
低リスクに行くならハイスピードモーター+ハイスピードモーターを無理なく回す構成でいきましょう。
あまりバッテリーが強いとピスクラしかねないので、1300mAh 30Cくらいのバッテリーが無難です。
回れええええええええええええ
段ボール製かな?
基本的にあまりおすすめしないカスタムです。
机モーターはモノによりけりですし、メカボの内情も把握せずにこれをやると高確率で何かがぶっ壊れます。
自力で修理できる方や、一回壊してみたい方は一考の価値があるカスタムです。
壊したい奴なんかおらんやろ
と思うのが普通なのですが、ピスクラなりギアロックなり、メカボ内の不具合を経験すると、100のwebサイトを見るより遥かにエアガンの構造への理解度が高まります。
「破壊」を提唱するサイトはほとんどないと思いますが、「小学生男子は怪我以外からは学ばない」と同義だと思ってもらえればOKです。
30RPS以上出るマシンをあえて20RPSで運用するという通好みなセッティング。
DSGで跳ね上がったサイクルを電子トリガーユニットで電子的に抑制することで、安全なサイクルとキレッキレのレスポンスを楽しむセットアップです。金がかかります。
25RPS(マルイハイサイクル)を狙うカスタムパーツ
マルイハイサイクル電動ガン相当のサイクルを実現したい場合は
これが「答え」だと思います
ギア的にはこれで25RPSを狙えるスペックがあるので、あとはモーターとバッテリーをいい感じに選んであげればOKです。
一時期はハイサイクル=このレシピが鉄板で、どこのフィールドに行っても同じようなサイクルのフルオート音が鳴り響いていたものです。
35RPSを狙えるパーツ
この辺から雲行きが怪しくなってきます。
30RPS以上を狙い始めると完全に自己満足カスタムの領域に足を踏み入れ始めます。
正直タクティカルアドバンテージはほぼないと思ってもらってOK。
タペットプレートを削ったり、ピストンに細工を施したりと、既製品を突っ込むだけでは狙い通りの性能を出せなくなってきます。
なお、これ以降では金属歯のピストンが必需品になります。
個人的に11.1vで回せるDSG機を組むと「勝手に」35RPSくらいに落ち着く気がします。
DSGはある意味「うひょー!ハイサイクルやでぇえ!!」を最も手軽に楽しめるカスタムではないかと思っています。
SSG(シングルセクターギア)で秒間35発は一つの到達点だと思います。
金はかかりますし、調整がシビアです。
- ピスクラ対策
- ノズル周りの調整
- 初速対策
など、調整することが目白押しです。
サイクルを上げるとなると、ピストンが前進し切る前に次のセクターギアが来てしまうことによって起こるピスクラが一番怖い故障です。
それを防ぐためには
- セクターカットでピストンの後退量を減らす
- 強いピストンで素早くピストンを押し切る
という対策が必要になるのですが、これをやると今度は初速が法規制を上回る恐れが出てきます。
なので今度はバレルをカットして…とカスタムが止まりません。
45~RPSを狙って作る場合
もうここまで来ると銃声がプロペラ機の風切り音みたいになってきます。
45RPSを超えると、35RPSを狙っていたときと比べて、作業は細かいトライアンドエラーの繰り返しになってきます。
- 強化タペットスプリングをさらにカットしてテンションアップ
- ミリ単位でのタペットプレートカット
- メカボ割れとの戦い
- 給弾が追いつくマガジンの選定
このサイクルまでいくとメリットなどほぼなくなり、デメリットばかりになります。
じゃあなぜやるのか、ロマンと自己満足です。
TSGというのはトリプルセクターギア。
究極のハイサイクルを実現するキワモノ中のキワモノ。
Boothで販売されている方がいます。
単品5万円超えなので、もやしにかける胡麻油を節約している筆者には到底手が出ませんが、ハイサイクルに取り憑かれた方は手を出してみては…?