「カスタム」
来る日も来る日もパーツを探し、買ったパーツを削って、叩いて、磨き上げ、時に壊したりするうちに愛銃はただの玩具からパートナーになります。そして気づけばカスタム費用が銃本体の購入費用を大きく上回っている、なんてことは日常茶飯事です。
簡単な性能アップ系カスタムに関しては別記事を上げているので、こちらをご覧ください。
マルイAKM、ひとまずやりたかった形にはなりました!
— Qoo622💉💉Fully pfizered (@Qoo6221) August 21, 2021
「実パわからせ棒」ことストック基部は3rdパーツを待てなかったのでジュラルミンCNC+PA12GB 3DPのハイブリッドで作成。20mm化したのでSIG系だけじゃなくてAR系チューブも刺さります。
本体非破壊なのでいつでも元に戻せるのもこだわり! pic.twitter.com/elBr2yEELr
正直初心者が上記の投稿を見ても何を言っているのかわからないと思うので和訳すると、「外装をカスタムしたいけど、社外品が出回っていないので金属と強化樹脂を加工して汎用部品を作っちゃいました」と言っています。変態です(誉め言葉)
でもカスタムってどこから手を付けたらいいかわからないものです。特に初心者にとっては「何か部品を外したら壊れるんじゃないか」「分解したら保証が効かなくなるんじゃないか」と不安だと思います。
どこからカスタムと呼べるの?
自分好みの形に銃をいじりだしたらそれは立派なカスタム行為です。フラッシュハイダーの一つだっていいんです。
自分がそれをもっと触っていたいと思う形に変えていくことが何よりも大切です。
誰だって銃のことは何もわからないところからスタートです。そんなに細かいカスタムができていないから恥ずかしいなどと思う必要は皆無です。
おすすめのカスタムベース
カスタムするにはベースになる銃が必要です。
カスタムベースになる銃を選ぶ時に重視したいことは三つ。
- 安い
- 信頼性が高い
- パーツが出回っている
・安いこと
誰も好き好んで高いものを買いませんが、それはそれとしてカスタムにはお金がかかります。最初からカスタムをする気なら、自分の求める性能を満たす範囲で少しでも安い銃を選びましょう。
それから、安い銃は万が一不可逆な壊し方をしても財布とメンタルへのダメージが(比較的)浅く済みます。
・信頼性が高いこと
多少のカスタムで壊れない信頼性を持っている銃を選びましょう。
「AのカスタムをしたらBが壊れて、Bを直すためにCも入れ替える」なんてことはよくあることですが、なるべく起きてほしくないことです。
・パーツが出回っていること
いざカスタムベースにしたい銃を手に入れても、パーツが出回っていなかったり、入手性が極端に低い部品に依存する銃は最初のカスタムベースにはあまり向いていません。
PUBGで有名になったグローザなんて、カスタムしたくても本体は高いし部品はないしあっても高いし壊れたら地獄です。
筆者も欲しいですよ。中古相場が20万円を超えていなければ買っています。
保証がなくなるんじゃないの?
その通り。大半のカスタムは自己責任となっており、ちょっとでも内部をいじるとショップやメーカーの保証はなくなってしまいます。
一度考えてみてほしいのですが、保証は本当に必要でしょうか?
それを保証のために我慢して、不満を抱えたままエアガンを使い続けていては何よりサバゲーが楽しくなくなってしまいます。
また、仮に保証期間内に壊れても、エアガンは大きな荷物なので往復の送料も高額です。
下図は関東から全国各地域への宅急便の送料です。エアガンを箱で送る場合、おおよそ120-140サイズになるので、地域によりますが往復で約4000円の送料がかかります。
いくら無料で直してもらえても、4000円もかかるのであれば自分で部品を取り寄せて修理できそうな気がしませんか?
中古でよくね?
ご明察。カスタム前提なら中古でOKです。
どうせ保証も効かなくなりますし、多少目が効けば新品同等性能の電動ガンを数割安く入手できます。
これについては以前記事を書いています。
エアガンの中古市場は他の製品の中古市場に対して比較的健全です。
1. 中古エアガンを買う人には目利きが多く、レモンを放流すればすぐに悪評がついて次の買い手がつかなくなってしまいます。
2. エアガンは複雑な工業製品でありながら、不良は再現性を伴って具体的に表れるので、中古市場で販売される際には不良が具体的に表記されることが多いです。むしろちゃんと書かないと確実にトラブルになるので販売者はトラブルを恐れて過剰なくらい品質について詳細に記述します。
3. エアガンを売る同機が健全な場合が多いです。
多くの工業製品が不調や故障を原因に格安で中古市場に放流される一方で、エアガンの販売者は結婚や妊娠によって渋々フィールドを去ったサバゲーマーや、完全に趣味で別のエアガンに乗り換えた人が多数派です。
最初のカスタムは外装から
最初のカスタムは外装から始めましょう。外装カスタムは自分の銃を憧れたあの姿に作り替えるステップです。
外装のカスタムは内部を傷つけないので低リスクで行うことができます。たとえばストックをCTRストックにしてみるだけでもかなり印象がシャープになります。
実パ勢と言われる、税関とにらみ合いながら大枚をはたいて実銃用部品をエアガンに組み込む変態たちはこの外装カスタム沼にハマり切った人たちです。
出来た出来た。
— 岬@10/10HEADS (@misakiretriever) March 29, 2015
実ハンドガードをLCTに取り付け。
デザインナイフで削っては擦り合わせ削っては擦り合わせ…
明るい色のがLCT。他社製木製ハンドガードを着けるのと同じ要領で干渉する箇所を削っただけ。 pic.twitter.com/s80TgZ5rk3
気を付けないといけないのは、外装カスタムだと思いながら基幹部品を組み込んでしまうことです。
つい最近ハンドガンのフレームを個人輸入した人が逮捕されて実パ界隈でほんのりと話題になりました。
レシーバーの交換は少しハードルが高いですが、M4系のストック、ハンドガード、ピストルグリップなどはほぼ無加工で取り付けられるものがたくさん出回っています。
最初の内部カスタムはモーター変更
特に海外製の低価格エアガンは廉価なモーターが使われていることが多く、セミロック(セミオート連射時に射撃不可になる現象)を起こしやすいです。そんな銃を使っている場合は高トルクなモーターへ交換することでセミロックを改善し、ゲームの快適性を高めることができます。
数年前から廉価で精度の高いエアガンの入手性が向上したからか、はたまた駅近屋内フィールドが増えたからか、人気のあるルールがフルオートで弾をばらまきあうゲームからセミオートで精密射撃をしあうゲームに移行しつつあります。
セミロックはセミオート射撃時に発生する現象なので、最近はとりあえずモーターを変更する人が非常に増えています。
ジャムおじさん pic.twitter.com/ME8MIyBARc
— そとみち (@sotomiti763) July 29, 2019
おすすめのモーター
東京マルイ EG1000
超定番。次世代電動ガン以外を使っていて、迷ったらこれ。低価格、高トルク、低燃費で安心と信頼の東京マルイ製。
もう何も言うことはありません。海外製の安い電動ガンを使っているならとりあえずこれをブチこんでおきましょう。
東京マルイ サマリウムコバルトモーター
通称サマコバ。並外れたトルクでセミロック知らず。これとリポバッテリーを組み合わせるのがセミオートファイターのトレンドです。
高性能ではあるのですが、注意すべき点もあります。
このモーターは非常に高トルクですが、その有り余るトルクを活かせるのはルーズバレルと組み合わせて非常に重いスプリングを使ったり、リコイルのある次世代電動ガンに使ったりといった用途に限ります。
リコイルのないスタンダートタイプの電動ガンに組み込んでも、海外製モーター→EG1000が感覚的に50点から85点になるのに対して、EG1000→サマコバは85点→95点という感じなので価格差ほどのメリットを享受するのは難しいです。
SHS ハイトルクモーター
筆者のメインモーターです。サマコバより安く、EG1000よりトルクを、という需要に応えた一品です。
少し燃費が悪い感じがしますが、セミオート主体であればさほど気になりません。
カスタムは楽しい!
カスタムはそれ自体がサバゲーと同じくらい楽しい行為です。
あちらを立てればこちらが立たずというジレンマを感じたり、それをお金で解決したりするうちにカスタムから抜け出せなくなります。
さあ、自分だけのカスタムガンを持ってフィールドへ向かいましょう!