サバゲー用品には必需品からよりサバゲーを楽しむための嗜好品まで、様々なアイテムがあります。
もちろん各分野におすすめのアイテムがありますが、同時に絶対に買わないほうがいいものと最初に買うと後悔するものがあります。
絶対買わないほうがいいもの
ここで紹介するアイテムは自分か銃を傷つけるアイテムです。絶対にサバゲーで使ってはいけません。
一部の激安ゴーグル
ピンポイントで行きます。名前は長いので省略。
サバゲー用と書いてありますが割れます。なので名指しで使用を禁止しているフィールドが下記以外にも多数あります(屋内フィールドを中心に確認済み)。
Amazonで売ってるこのフェイスガード付きゴーグルの通常戦での使用を禁止します。U18戦ではお使いいただけます pic.twitter.com/eOx05A508h
— ボーダーゾーン(公式) (@BtWq5) June 15, 2020
買っても使えない。強引に使えば怪我をする。まず買うべきではありません。
代わりにもう少しだけ予算を積み増してまともなゴーグルを買いましょう。
Kure 5-56
結論から言うと、パッキンと機械部のグリスを溶かすので銃が壊れます。
なんかエアガンの調子が悪いな… せや!引き出しにあったスプレーかけてみよ!
やめろおおおおおおおおおおおおお
呉工業の5-56は優れた防錆・潤滑剤性能を持つ、全国どのご家庭にも一本は常備してあるスプレーです。
5-56は浸透性が高く、錆びたビスの引き抜きや金属面の錆び落としには非常に有用ですが、エアガンの作動性を向上させるために使うべきではありません。
これは呉工業の公式HPからも読み取れます。
電動ガンのメカボックスにはギア周辺にグリスが塗布されています。
「なんか最近エアガンの調子が悪いな~。そういえば押し入れにスプレーがあった。」
と思って適当なつなぎ目に5-56を吹きかけたが最後、そこからメカボックスやチャンバーへと5-56が浸透し、ギアを潤滑していたグリスを洗い流してしまいます。
メカボックスは金属の歯車同士がぴったりと配置されている非常にデリケートな部位です。その歯車に塗布されているグリスが洗い流されてしまうと、人間に例えるなら軟骨がなくなって骨同士が関節で直接連結されてしまうような状態になります。
また、5-56無印は公式HPにも書いてある通りプラスチックやゴムを溶かします。エアガンの内部をざっくり言うと、ゴムのパッキンで気密性を高め、内部で空気圧を利用してBB弾を飛ばしています。
メンテナンスするならこれを使って!
エアガンのメンテナンスに使うべき油物は以下の二点です。
基本的にエアガンのメンテナンスに使うのはシリコンスプレーです。グリスは自分でメカボックスを分解できるようになってからで大丈夫です。
最初に買うと後悔するもの
買ってはいけない/使ってはいけないものの次は最初に買うと後悔するものです。
スナイパーライフル
「藪の中に身を潜め、遠距離からの一撃必殺で敵を葬る…」
結論から言うと無理です。
サバゲーの交戦距離はせいぜい50m。実銃でいえばマスケット銃の射程距離です。サバイバルゲームを取り巻く二つのルールが、スナイパーライフルのアドバンテージを、本来初心者が想定していない「銃声が非常に静か」だけに変えてしまっているのです。
1. 銃刀法
初速の運動エネルギーが1Jを超えるエアガンを所持してはならないという規定により、ほとんどのエアガンの有効射程は同じになります。これによりスナイパーライフルの優位性である射程距離の長さは失われてしまいます。
2. ヒットの制度
サバゲーでは1発でも弾が当たればヒット、死亡となります。なのでゲームのように銃ごとにダメージ量が違うこともなく、「スナイパーライフルだから」一撃で倒せるということもありません。
2挺目、3挺目なら止める理由はありません。しかし、1挺目でスナイパーライフルを選んでしまうと、アサルトライフルを使っているプレイヤーに対して大きなハンデを背負って戦うことになります。
具体的に数字で表現すると、スナイパーライフルの連射速度が3秒に1発がせいぜいのところ、平均的なアサルトライフルは秒間15発発射できます。その差、実に45倍。初心者が熟練したプレイヤーを相手に1/45の連射能力で太刀打ちできるはずがありません。
筆者がこれまでに見てきた初心者スナイパーのゲーム内容は100%、例外なく、全員以下の2パターンしかありません。
①何もせずに試合を終えるか
②味方が壊滅したことに気付かず大勢の制圧射撃に押しつぶされるか
5000円以下のプレートキャリア的なもの
「上級者たちが着ている防弾ベストみたいなやつが欲しくて調べたけど結構高いんだな…
amazonで調べたら3000円くらいで買えるしマガジンポーチも付いてる!」
果たして本当にそうでしょうか?誰しも好き好んで高いものを買うわけではありません。高いものには高いものの、安いものには安いものの理由があるのです。
これらのタクティカルベストは恐らく海外の工場でタクティカルのタの字も知らない作業員が、ざっくりとした作業指示に基づいてミシンで縫っているのでしょう。
この価格帯には似たような構成の似たような製品が大量に出品されていますが、どれも一様に以下のストレスがかかります。
・MOLLEウェビングが雑で装備が付け外ししにくい
・マガジンポーチにマガジンを出し入れしにくい
・色々なところからワイヤーが飛び出る
・布面積が大きすぎて暑い
・造形が適当で体にフィットしない
・全体的に縫合が雑であらゆる部分が引っかかる
中でも最初に挙げたMOLLEの縫合が適当なのは本当に厄介です。
MOLLE装備には、PALSウェビングと呼ばれる、幅1インチ(2.5cm)の帯が、上下1インチ(2.5cm)間隔で縫い付けられており、取り付けたポーチなどのズレ防止のために、1.5インチ(3.8cm)間隔で縦に縫い目が入っています。(引用元:レプマートHP)
つまり、サバゲー関連の装備は大体この規格に合わせて作られているのに、ベスト側がこの規格通りに作られていないと何もまともに装着できません。筆者が昔買ったこの手のベストは縦縫いの感覚が5mmずつずれており、結局全部洋裁バサミで切って縫い直すことになりました。
せめて、せめて5000円+α出して!
何万円もするプレートキャリアは買えないにしても、もう少しだけ予算を増やせばちゃんと使えるものが買えます。
上を見ればキリがありませんが、筆者個人的にはとりあえず使えるものになってくるのはこのあたりの価格帯からかなと思っています。
もしくはこれも特にストレスなく使えます(常時在庫僅少のため積極的には紹介せず)。
激安タクティカルブーツ
サバゲーやるならブーツは欠かせない。しかしエアガンを買ったら予算が尽きてしまったのでなるべく安く済ませたい。そう思ってネットで探していたらすごく安いブーツを見つけた!
それは本当に「タクティカル」ですか?
サバゲー中は前方に全神経を集中します。木の根がそこら中に生え茂り、落ち葉が濡れた赤土の上にかぶっていることもしょっちゅうです。足元に気を配る余裕がないからこそ、足元にはゴーグルの次に信頼できる装備を配置したいものです。
ぬかるみで足を滑らせたときや木の根に足を取られたときに、踏ん張れるか足首が持っていかれるかで負傷率は大きく変わります。ぜひしっかりとしたブーツを選択してください。
コミケのコスプレ会場で自宅警備隊をやるなら格安ブーツで全然OKです。
ブーツにサバゲー専用品はありません。自分が一番動きやすく、山でも信頼できるものを選択しましょう。
筆者個人的にはトレッキングブーツが一番使いやすいです。ご参考までに筆者が2021年9月現在愛用しているブーツのリンクを置いておきます。ちょっとしたトレッキングや、散歩するかもしれない旅行に履いていけばいいので重宝しています。
まとめ
サバゲー界隈には右も左もわからない初心者が飛びつきたくなるような名前、価格帯の製品が跳梁跋扈しています。本稿で紹介したのは故障・負傷・大きなストレスの元になり得る製品で、それ以外にも落とし穴は色々なところに潜んでいます。
用途や性能を理解してそのような製品を選ぶ分には問題ないのですが、往々にしてそのような製品を購入すると安物買いの銭失いになります。
筆者の経験上、外れ装備には以下のような傾向があります。
特定の製品が大きく二つの価格帯に割れていて、価格帯間の差額が3倍以上ある場合は安い方が粗悪品・もしくは用途外品のグループである可能性が非常に高い