「インナーバレル長を変えたら初速がちょっと落ちた(理屈通り)」とかではなく「こんなんサバゲーに使えたもんじゃねえ!」というレベルまで初速が落ちたときには激堅スプリングでなんとかしようとする前に故障や組み間違えを疑ってみましょう。
気密漏れ
まず疑うべきは気密漏れです。これ以降に記載している内容はほぼ全て気密漏れの再点検項目です。
そもそも気密アップとはなんぞや?という方はこちらをご覧ください。
以下では一般的な気密取り以外にカスタムすると発生する可能性のある初速ダウンの原因と対処法を紹介します。
経年劣化
経年劣化で内部のパーツがボロボロになってくると初速が大幅に落ちることがあります。
なんとか形を保っていた大昔のビニール袋に触ったら崩れ落ちたことはありませんか?それと同じ現象は随所に樹脂部品の使われているエアガンでも発生します。どこが劣化すると致命的なのか見ていきましょう。
中古銃だとこれが怖いぞ
全て現象としては「初速が出ない」という形でしか表れないので、可能性のある部位を一個ずつ潰していくしかありません。
ピストン・シリンダーヘッド
ピストンヘッドとシリンダーヘッドには気密を高めるためにOリングがついています。
これらのOリングはシリンダーと両ヘッドの隙間を埋めていますが、隙間を埋めているということは常に圧力がかかり続けているということ。
シリンダーヘッドOリングも確認して固くなってたり弾力が無くなってたら交換〜 pic.twitter.com/hvGYUkYCmC
— 小林 麟太郎 (@Yxk1VtfaaZgs2eJ) March 9, 2021
何かのきっかけでOリングとシリンダーの間に隙間ができてしまうと、空気が抜けて突然初速が大幅低下します。
対策はヘッドの交換です。
箱出しの電動ガンはヘッドも樹脂製であることが多いので、Oリングが機能しなくなっている時点でヘッドの寿命も近いと考えられます。
メカボックスのバージョンを確認し、ヘッドごと交換するのがベストです。
チャンバーパッキン
チャンバーパッキンは消耗品だと割り切りましょう。
チャンバーパッキンの劣化やばい pic.twitter.com/PYKRxGKFh2
— ほしが🦊 (@Rainytail_9dp) April 16, 2020
基本的にチャンバーパッキンは気密の問題が出る前にホップがかからなくなったり精度が下がってきたりして交換する部品なのですが、太古のエアガンを掘り出して撃ってみたら初速が出ないことがあります。
そんなときはパッキンが劣化して割れたりちぎれたりして気密漏れを起こしている可能性があります。
パッキン交換はエアガンのカスタムだとパソコンの再起動みたいな感覚で行うことなので、とりあえずやっておいて損のない部品交換です。
スプリング
電動ガンの力の源であるスプリングも経年劣化する部品です。
G3SASの修理の続き。
— クッシー(・ω・) (@kushi838861) March 3, 2022
初速低下の原因は2つ。
メインスプリングのヘタり、タペットプレートの前進量不足。
社外製に変わっていたのは知っていましたが、タペットプレートの羽を注視し忘れていました(´・ω・)
羽がセクターの軸に当たって前進しきれずにノズルからエア漏れしていたのが原因でした。 pic.twitter.com/D2WZ3vZTyz
経年劣化でメインスプリングはヘタりますが、引きバネになっているタペットスプリングも劣化します。
メインスプリングのヘタりは吐出するエアの空気圧を下げ、タペットスプリングのヘタりはチャンバーに空気を送り込む際の気密を下げます。
スプリングは徐々にヘタっていくので、いきなり初速が低下することはありませんが「中古銃を初射撃前にオーバーホールしたつもりがスプリングがへたっていた」ということはあります。
タペットスプリングのヘタリはメカボを開けなくても確認できます。
アッパーレシーバーを外したら、上図のようにノズルを抑えてからパッと手を離してみてください。
スプリングがヘタっていなければパチーン!と最前進します。
加速ポートの向き
大体の部品は組めるようにしか組めないのですが、加速ポート付きのシリンダーはどっち向きでも組めてしまいます。
初速がどうにも出ない場合は念の為確認してみてください。加速ポートが銃身後部です。試しに逆で組んでみたところ、0.2g弾で20m/sくらいしか出ませんでした。
組み忘れ
インナーバレルのスプリング
名前を知らないのですが、こいつをどこかに落としていませんか?
このスプリングはチャンバーをノズルに押し付けてくれるスプリングのため、これがないとノズルから吐き出されたエアがチャンバーとの間でダダ漏れになり、最後の最後で弾を押してくれなくなります。
大きめの部品なので忘れにくくはありますが、チャンバーをゴニョゴニョしている最中に他のことに気を取られたりすると組み忘れることがあります。
タペットスプリング
タペットプレートを前進させるスプリングを装着し忘れていると、ノズルが後退したままになってしまい、どんなにピストンが頑張ってもエアが漏れ漏れになってしまうためカスみたいな初速しか出ません。