サバゲーマーに「今の最高級エアガンは?」と問えばDASとトレポンが答えとして挙がることが多いと思います。今回はそんな最高級エアガンの一角を占めるDASの魅力に迫っていきます。
DASとは
Dynami Action System「DAS」は、韓国のGBLS社が実銃の動きを限りなく模倣できるように作った、トレーニング用の電動エアソフトガンです。
誕生の経緯
2012年に開発が始まったDASは2016年にM4A1モデルの生産が始まりました。2017年にはGDR15、みなさんお馴染みM4系ライフルの原型であるAR15が量産開始。その後はHK416、K2、89式小銃とラインナップを拡充しています。
2024年現在では、日韓だけでなく、北米や欧州にも販売網を持つグローバルなエアソフトガンメーカーに成長しています。
多くのファンが待望しているAKシリーズは、どうやら日本人にしか人気がないらしく、2019年に開発が始まったものの、5年経った現在も発売には至っていません。なんで日本人って私含めてやたらAKが好きなんでしょうか。
スペック
DASの外形的なスペックはモデルによって変わるので、今回は代表的なモデルであるGDR15を紹介します。スペックは箱出し時点での数値です。
全長 | 779~861mm |
重量 | 2.94kg |
電源 | 11.1vリポ |
発射モード | セミ・フル |
マガジン容量 | 30/60発切替式 |
BULLET価格 | 249,800円〜 |
初速やサイクルはカスタムでいくらでも変わるので、あえて割愛しています。下記は手元にあるDASの初速とサイクルの実測値です。
上記はメカボックス、チャンバー周り箱出しで、モーターのみブラシレスモーターになっています。
0.2gで90m/s前後、サイクルは13発/秒と、マルイの次世代電動ガンくらいです。
バッテリーはDCIの11.1vです。
DASの機能
DASをDASたらしめている価値は、その豊富な機能にあります。実銃を限りなく模したアクションによって、他のエアガンと比べると一線を画す臨場感のあるゲーム体験が可能です。
ガスブロ同等のアクション
まず、DASを使って射撃するときは、以下のアクションを楽しめます。
- 射撃時のリコイル
- 撃ち切り時のホールドオープン
- ボルトリリース
「なんだそのくらいAK以外の次世代電動ガンでいいじゃん」と思いますよね。でも、触ると一目瞭然なその違いは魅力セクションで解説します。
エアコキ使用
DASはバッテリーが入っていなくてもBB弾を撃てる唯一のエアガンです。一発ずつチャージングハンドルを引くことで、エアーコッキングガンとしても楽しめます。
チャージングハンドルが他のエアガンの比にならないほど重い上に、VSR-10などのエアーコッキングライフルと比べると本体重量が倍くらいありますが、ロマンの前にそんな話は野暮というものです。
多くのサバゲーフィールドでお昼休み時間中のボーナスゲームに「エアコキ限定戦」を開催していることがあります。エアコキ戦にどう見てもM4なライフルを抱えて入っていく人がいたら、ほぼ100%DAS使いです。
DASの魅力
もうすでに結構出ていますが、DASの魅力を改めて語っていこうと思います。
所有欲を満たす重厚で剛性感溢れる外装が、DASの一挙手一投足を演出してくれます。
リコイル
DASの魅力であるリコイルは、長いストロークで激しくユーザーの肩を叩きます。私が初めてDASを撃ったときにはCO2モデルのガスブロを渡されたのかと思いました。
しかも、「もっと激しいのがいいんだろ?」と、スチールボルトキャリアなどのカスタムパーツまで用意されているので、撃っているときに「ぬおおおおお」となりたい方にとっては垂涎ものです。
重く、深い動作
見てください、このチャージングハンドルの引きしろの深さ。左からマルイの次世代、マルイMWS、DASです。
チャージングハンドルの重さも実銃を再現しており、肩から力を入れて「ヨイショ」と引く感じです。しかもチャージングハンドルは電動ガン用ではなく、実物を導入可能です。
さらにトリガープルも実銃の3kgを再現しており、さながら実弾射撃のような引き心地を楽しめます。
音がたまらん
撃っている最中のガツガツ音だけでご飯が食べられるくらい耳の癒しになります(爆音浴的な)。
さらにマガジンの弾を撃ち切ったらボルトがオープンしてチャンバーがチラリ。ここでボルトリリースボタンを押すと…
「ジャキッ」とボルトが前進して心地のいい金属音を奏でてくれます。※自主規制※カスタムのハンドガンでスライドを引いた時の音みたいで、これだけずっと家でやっていたくなります。妻の視線が怖いです。
全部の機能が「機械的に」再現されている
たとえばオートストップとボルトリリースは、電子トリガーを組み込むことで、次世代と言わずその辺の電動ガンにも搭載可能です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
でもDASは全ての機能がガスブロのように機械的に再現されています。だから、操作しながら「こことここがこう動いているんだなデュフフ」と楽しむことができます。
また、万が一動作不良を起こしても、バラして変な部分の噛み合わせや擦り合わせを調整すれば元に戻ります。「濡らしちゃったら3万円の電子トリガーが壊れたぜ」とはならないのが大きな魅力です。
さらに分割メカボになっているので、リアのピンを抜いてテイクダウンすればセクターギアがコンニチハ。ギアの汚れ状況もすぐチェックできて楽です。
年次改良で安定動作を実現
DASはリリース以来、少しずつ本体の性能が改善されています。機能自体はリリース当初から変わっていませんが、信頼性や精度が高まっています。
かつては頻発していたジャムりや初速のバラつき、空転なども改善されており、初心者でも扱いやすくなっています。
日本総代理店のBULLETさんも、「昔とは比べ物にならないくらい生まれ変わっています」と言っていました。最新ロットはほとんど修理に回ってこないそうです。
実外装が組みやすい
実銃刻印の電動ガンといえば東京マルイが有名です。
東京マルイのエアガンは信頼性と入手性が高く、私も必ずフィールドに持っていくのですが、良くも悪くもオモチャとして作られているため、あえて実物外装パーツを簡単に装着できないように作られています。
DASはその生まれがミリタリー用途なので、実銃用のパーツが簡単に組み込めます。まあそれをやり始めるとコストがとんでもないことになるのですが、高い部品を削らなくていいという点は大きなメリットです。
たとえばこのDASには実物のDaniel DefenseハンドガードやMagpulトリガーガードなどがついています。
電動だから季節と情勢を選ばない
最後に、やはり電動ガンでガスブロと同じアクションを楽しめることは、サバゲーマーにとって大きな魅力です。
代替フロンを扱うガスガンは冬場になるとまともに撃てなくなりますし、CO2はランニングコストが嵩みます。ガスは年々風当たりが強くなっており、今後もガスの単価は上昇の一途を辿るでしょう。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、マガジン容量が60発の大容量と30発のリアルカウントを切り替えられる点も、フィールドやプレイヤーのこだわりに合わせて運用できるためメリットです。
DASさえあれば他に何もいらないと思える
DASは動作面でリアル志向のプレイヤーにとっての到達点です。外装やレスポンスにとことんこだわる場合はトレポンのPTW Infinityという選択肢もありますが、ガツガツ来るリコイルやリロードアクションを楽しみたい方にとってはDASが究極の選択肢になります。
サバゲーで強いエアガンかと聞かれれば答えは否。電子トリガーがついていてリコイルもなく、軽いエアガンの方が強いに決まっています。でもDASは「良い」んです。DASでしか味わえない興奮と臨場感があるんです。
何本もいろいろなエアガンを買っていじり回すより、DAS一本あれば満足できるので、一周回ってコスパがいいのではないかと思っています。近日中にフィールドで使用している動画も公開する予定なので、より実戦的なDASの使い心地をお楽しみに。