最近はモーターにお金をかけて色々選ぶなら、家に転がっているEG1000をプリコックすればいい…というマインドで生きていましたが、気になる商品を見かけたのでレビューしていこうと思います。
今回は41PX様にご協力いただきました。ありがとうございます。
趣旨
41PXのモーターコーナーを見ると、Rapidfireのモーターがズラリ。
値段もそこそこ安く、最近冷めていたモーター欲に熱が入ります。
しかし全部買うと家がモーターだらけになる上に、金欠の筆者は手元のMk18 Mod.1を手放すことになるので、ダメもとで41PXに「レビューしたいから全部貸して!」と言ってみたところ
大事な商品をどこの馬の骨とも知れぬブロガーに貸してくれました。
これはちゃんとレビューせねば失礼というもの。
それでは検証開始です。
ちなみにお金は1円ももらっていないので言いたい放題です。
モーター紹介
貸していただけたモーターはこちらの5機種。
名称 | 税込価格(円) | 公式サイト |
DESPERADO ハイスピード | 3,980 | リンク |
DESPERADO ハイトルク | 3,980 | リンク |
HIGH SPEED 46000 | 6,800 | リンク |
FINE BALANCE 39000 | 6,800 | リンク |
HIGH TORQUE 31000 | 6,800 | リンク |
DESPERADOが低価格ライン、数字入りのモーターがアッパーグレードという製品構成になっています。
DESPERADO組は価格帯的にG&Gの17Kバジリスクモーターや、東京マルイのEG30000が対抗馬になってくるかと思います。
ナンバリング組はLONEXあたりを睨んでの価格設定でしょうか。
測定環境
測定方法の作り方はこちらの記事にまとめてあります。
測定はマルイのメカボにVFCのMOSFETを投入した状態で行います。
スプリングをM100と少し硬めにしてトルクの差がわかりやすいようにしています。
使用するバッテリーはHiTecの7.4V 30C 1200mAhバッテリーと、G&Pの11.1V 30C 1000mAhバッテリーです。
どちらも実勢3,000円程度。ストックパイプに入れやすくて使いやすいバッテリーです。
基準となるEG1000
今回は傑作モーターである東京マルイのEG1000を基準に測定していきます。
次世代電動ガンに標準搭載されている、クセのないモーターです。
実勢価格3000円ちょっとで流通しているので、これより性能が良ければかなり「買い」な選択肢であると言えるでしょう。
EG1000の重量は144g。
空転サイクル
7.4Vでの空転速度は約24,600RPMでした。
11.1Vで回すと意外にもサイクルは上がることがわかりました。
レスポンス
今回のレスポンス検証では大門団長のメソッドを丸パクリ参考にしています。
ギアの動き出しで鳴る音から、ピストンの打撃音までの時間を測ることでモーターのレスポンスを可視化できるというメソッドです。
EG1000のレスポンスは49msという結果になりました。大門団長の検証と大体同じ結果です。
なお、EG1000 11.1Vでのレスポンスは44msという結果に。
マルイは11.1Vで回しても大して伸びないという定説はこういうことなんですね。
これを基準に他のモーターを見ていきたいと思います。
DESPERADO ハイスピード
外観など
まずピニオンギアです。
形状はかなりEG1000と似ているので、マルイなどの銃にポン付けで使用できます。
エンドベルはアルミで、ブラシはレイダウン型。
電極を間違えないよう、ピンに青と赤の塗装が施されています。
廃熱口は太極図のように穴が空いています。
CHIHAIモーターに似ていますね。
以降のモーターの外観は色以外同じなので説明を省いています。
重量は142gでした。
他のモーターの磁力がめちゃくちゃ強かったので、試しにどれくらいで手元の精密ドライバービットが引き寄せられるか測ってみました。
画像は引き寄せられないギリギリの距離です。
サイクル
まずは7.4Vでの空転速度を測ります。
約36,200RPMという数字が出ました。
EG1000が約24,600RPMだったので、1.5倍近いハイスピードです。4000円以下でこれはかなりいいのでは。
続いて11.1Vです。
思ったほどのサイクルアップにはなりませんでした。
どうやらDESPERADOハイスピードは7.4Vで運用すると旨味があるみたいです。
レスポンス
念の為図の見方をもう一度おさらい。
DESPERADOハイスピードのレスポンスは44msという結果が出ました。
EG1000と比べると5msの差が出ました。
たかが5msされど5ms。
ゲーミングモニターと普通のモニターの遅延の差くらいの違いがあります。
なお、11.1Vで回すと42msになりました。
しかし、バーストが多発したので、電子トリガーでアクティブブレーキをかけるなどしないと実用上は不便かもしれません。
DESPERADO ハイトルク
外観など
構造はハイスピードと同じで、ラベル、エンドベル、ハウジングの色が異なります。
こちらも重量は142gでした。
磁力はハイスピードとあまり変わらず。
サイクル
7.4Vでの空転速度は約22,500RPM。
EG1000よりさらに控えめなサイクルという結果になりました。
実勢価格ではEG1000より少し高めな分、トルクでEG1000を大きく凌駕してほしいところです。
続いて11.1Vでの計測です。
こちらはハイスピードに比べて、11.1V運用時に大きくサイクルが跳ね上がりました。
最後にまとめますが、Rapidfireモーターは7.4Vで光るものと11.1Vで化けるものに大別できます。
レスポンス
ハイトルクはなんと63msという結果に。
撃っている感じも明らかに立ち上がりが他のモーターより遅いです。
7.4Vだといいところがないぞ…と思ったので11.1Vでも動かしてみました。
11.1Vなら輝くはず!
47msという結果に。
悪くはないんだけど、悪くはないんだけど…
HIGH SPEED 46000
外観など
ここから価格が上がると同時に、パーツがゴールドになって一気に高級感が増しました。
外から見た部品の構造は同じなものの、DESPERADOシリーズより10g以上重くなって157g。
手にとっても重量の違いがわかるので、コイルが多いとか、磁石の比重が高いといった事情がありそうです。
ナンバーシリーズは明らかに磁力が強く、両手で「ふんっ!」とやらないとモーター同士を引き剥がせません。
ビットがくっつかない距離もDESPERADOシリーズと比べると一気に長くなります。
サイクル
さてさて高級ハイスピードモーターです。まずは7.4Vで回してみましょう。
あれ?3,980円のDESPERADOよりサイクルが低いぞ?
「そんなはずはない」と思って何度計り直しても33,000回転弱でした。
しかし11.1Vで回してみると…
!?!?!?!?!?
電圧は1.5倍にしかなっていないのに、サイクルが7割近く上がりました。
これはこれですごいのですが、銃に11.1V運用で組むときにはかなり注意が必要です。
タペットプレートをカットしたり、セクターカットを多めに施したりしないと、ピスクラや気密漏れのリスクがかなり上がるでしょう。
レスポンス
7.4Vで42msという結果が出ましたが、このモーターは数値以上の体感差があります。
立ち上がりのトルクフルな「シャッ!」という感覚が非常にサマコバに似ています。
このまま11.1Vも行ってみましょう。
レスポンスは変わりませんでした。変わらない上に…
この波形をご覧いただけばわかると思うのですが、バーストしまくりました。
空転させた時もそうでしたが、このモーターの11.1Vはかなり上級者向けですね。
FINE BALANCE 39000
外観など
青いボディを見るとG&Gの18Kモーターを思い出しますが、内容は明らかに別物です。
重量はあまりハイスピードと変わらず155.5g。
こいつは磁力が異常に強く、周りのものを押さえていないとブラックホールよろしくあらゆるものを引き込むので筆者の指が写り込んでいます。
サイクル
7.4Vでは結構おとなしめな数字が出ました。EG1000に毛が生えた程度のサイクルといったところでしょうか。
続いて11.1Vです。
こちらもゴリっとサイクルが上がります。
6,800円組は皆そうなのか(日本兵ボイス)
レスポンス
一見結果は50msでEG1000とどっこいですが、ブレーキがよく効くモーターなので、射撃後が静かです。
ビールみたいな話をしますが、ピストンの打撃後の雑味が少ないです。
それでは11.1Vです。
確かに早くなります。
早くなるのですが、こちらもバーストを抑えられなかったので、箱出しの18:1ギアで運用するにはひと工夫が必要でしょう。
HIGH TORQUE 31000
外観など
重量は少し重くなって157g。
赤いボディが強そう(語彙力)です。
磁力はハイスピードと大体同じくらいでした。
サイクル
7.4Vでのサイクルはかなり控えめで、EG1000とどっこいどっこいです。
他の6,800円組に漏れず、ハイトルクも11.1Vで回すと電圧通りにサイクルが上昇します。
やはり全体的に6,800円組は11.1Vで回してあげた方が真価を発揮できる傾向にあるみたいです。
レスポンス
7.4Vでの発射フィールはファインバランスと非常によく似ています。
タイムこそ平凡ですが、撃ち味が気持ちよく、トルキッシュな感じがします。
11.1Vで回してみてもタイムは大して変わりませんでした。
ハイトルクの11.1Vが凄まじいタイムを出すと思っていたばかりに、ここは少し残念でした。
まとめ
比較表
価格(円) | 7.4V空転(RPM) | 11.1V空転(RPM) | 7.4Vセミ(ms) | 11.1Vセミ(ms) | |
EG1000 | 3,180 | 24,622 | 35,176 | 49 | 44 |
DES SPEED | 3,980 | 36,194 | 41,172 | 44 | 42 |
DES TORQUE | 3,980 | 22,548 | 34,483 | 63 | 47 |
46000 | 6,800 | 32,759 | 55,446 | 42 | 42 |
39000 | 6,800 | 27,123 | 41,172 | 50 | 43 |
31000 | 6,800 | 24,978 | 35,894 | 48 | 48 |
上記が今回比較した性能の一覧です。
特筆すべきと感じた性能をハイライトしています。
やはりDESPERADOハイスピードと46000のレスポンス、サイクル共に隙のない性能が際立ちます。
これらの性能をもとに「筆者ならこう運用したい」という運用方法を紹介します。
運用方法(妄想)
DESPERADO ハイスピード
今回一番驚いたのがこのモーターでした。
3,980円でトルク、サイクルともに隙がありません。
これはEG1000と言わず、イナズマモーターの上位互換と言っても過言ではないかもしれません。
個人的にこの価格のモーターであれば、あまりお金をかけずに全体をセットアップしたいと感じます。
また、7.4Vで運用するときの素性の良さを活かしたいですね。
- 18:1ギア
- 7.4V
- セクター1、2枚カット
- FETかSBDを適当に
このような構成で、安心して使える普通に高性能なサブウェポンになると思います。
初サバゲーに連れて行く人に貸してあげるにもいい感じの銃ができそうです。
DESPERADO ハイトルク
ハイトルクと言いながら7.4Vで真価を発揮できなかったのは少々残念ですが、11.1V運用時の化け方は使い方次第で大きな強みになるのではないかと思います。
このモーターを運用するなら
- 11.1V
- FET簡易プリコック
- 13:1ギア
- セクター4枚カット
このくらいの構成で比較的安価にキレキレハイサイクルな銃を作ってみたいです。
11.1Vでの作動感は重めのスプリングも引けそうなポテンシャルを感じました。
ハイスピード46000
空転速度を測定するとき、こいつだけ11.1Vで回すと計測用のシートが毎回ぶっ飛んで行くので、計測にやたら時間がかかりました。
7.4VならDESPERADOハイスピードでよくね?という性能なので、11.1Vを電子制御してピーキーな一挺を作りたいです。
- 13:1ギア
- 11.1V
- GATE ASTER
- セクター5枚カット
- M110スプリング
このぐらいの構成で脳筋プリコックハイサイクルにするとめちゃめちゃ気持ちいかもしれません。
ファインバランス39000
その名の通り、取り立てて言うことのない優等生なモーターです。
悪い言い方をすると、6,800円払ってまで7.4Vで使う価値はあまりないと思います。
組むとすれば11.1V。
- DSG
以上。
正直これ以上ハイサイクルなモーターをDSGで使いこなす技量がないので、40,000回転くらいのモーターをDSGにして秒間40発+を狙うのが筆者のDSGカスタムスタイルです。
ハイトルク31000
もう少しこなれてくるとトルクが際立ってくるのでしょうか…
それに賭けるとすれば個人的にはこのようなカスタムを施したいです。
- 7.4V
- 16:1ギア
- PERUN AB++
とにかくストレスなく、手軽にハイトルクを活かしてキレキレのプチハイサイクルを作るカスタムです。
以上、Amazonに出店していないからか、あまり知名度が高くないRapidfireブランドのモーターでした。
直販ECストアだけでなく、楽天からも買えるので、気になったモーターがあれば覗いてみてはいかがでしょうか?