銃の性能が良いとか悪いとか、光学機器が良いとか悪いとか、そういう話は全部クリアな視界が確保できていて初めてできる話です。
そもそもゴーグルが曇ってしまっては性能も何もお話になりません。
ゴーグルを曇らせないための手段も色々と紹介していますが、本稿では構造的に曇りにくいゴーグルを紹介します。
Bolle X800
BolleのX800は2015年前後にサバゲーシーンを席巻したゴーグルで、現在でも根強いファンを持つゴーグルです。
その優れた構造から各社がコピー品を出していますが、つい最近踏んで壊してしまうまで筆者はこれの実物を愛用していました。
価格も5000円前後と比較的お手頃です。
「ゴーグルに隙間があって大丈夫なの?」と思いますが、大丈夫。本製品のフレームは樹脂ながらかなり剛性が高く、隙間もBB弾が入り込むほど広くはありません。
また、レンズの位置が肌から遠いため、顔の上部から滴ってくる汗がレンズに直接くっつく現象もかなり軽減できます。
デメリットは構造上仕方ないのですが、フレームの隙間から埃や砂塵が入り込んで汚れることです。
なので埃っぽい日にサバゲーしていると、数ゲームでレンズにこびりついた砂などが気になるようになってきます。そうなったら拭かずに流水で流して自然乾燥させましょう。
東京マルイプロゴーグル
超ロングセラーである東京マルイのプロゴーグルは「ファンによる強制除湿」というコンセプトを一般に普及させた第一人者的な傑作です。
本品が現在でも広い支持を集めるのは、以下の4つの利点が大きな理由になっています。
- ファンによる強制除湿
- ワイドなレンズによる広い視野
- 深めのレンズのため眼鏡と併用可能
- マスク一体(取り外し可)なため隙間がない
それぞれの機能を満たしたゴーグルはいくらでも手に入りますが、上記四点すべてを兼ね揃えた上で信頼性の高いゴーグルはおよそ東京マルイのプロゴーグルしかありません。
サバゲーを快適にプレイすることにかけてはこれといった弱点の見当たらないゴーグルです。
ESS NVGターボファン
米四軍や陸自をはじめ、世界各国の部隊で採用実績があるESSから発売されている、サバゲー用というよりもサバゲーにも「当然」使えるミリタリー用のファン付きゴーグルです。
ターボファンゴーグルの基本的な構造は東京マルイのプロゴーグルと同じで、ゴーグル上部に設定されたファンによってレンズ下部の通気口から空気を吸い上げ、ファンから排気します。
フレームの質感やデザイン性などは価格相応に高いのですが、構造的にマルイと大きく異なるのはファンを駆動させるバッテリーの配置です。
マルイのプロゴーグルはファンの横側に単四電池を配置するのに対して、ESSはストラップに付属したバッテリーケースに単三電池を収納して後頭部に配置します。
筆者個人的にはゴーグルのサイズがファンレスモデルとほとんど変わらないこのレイアウトの方が好きですが、そこは好みの問題です。
安い買い物ではありませんが、すでにサバゲーにハマってしまっており、今後特定の部隊の装備を揃えたいと思っているのであれば、色々な部隊と互換性があるので先行投資になる可能性が高いです。
Dyeマスク
Dyeマスクはサバゲーというよりもペイントボール用の装備です。長所は圧倒的な安全性です。
米国を中心に競技化しているペイントボールは弾の重量がサバゲーよりも遥かに重く、0.2g弾で98.9m/sという日本の銃刀法準拠のサバゲー用エアガンに対して、3gで約90m/sというフィールドの自主規制で管理されています。
そんな高威力なマーカー(エアガン)を使用する、プロスポーツ化したペイントボールの競技で使用されるのがこのDyeマスクです。
曇りづらさやズレにくさは当然のこと、フルフェイスで耳まで完全防護のためどの角度から至近弾を撃たれても痛くもかゆくもありません。
レンズもこめかみ付近まで伸びているため視野は広く、西日にも強い向かうところ敵なしのゴーグルです。
難点はべらぼうに主張が強いので他の装備に合わせづらいことでしょうか。
メッシュゴーグル
曇るレンズがないので物理的に曇りませんが、安全性の観点からあまりおすすめしません。
実際のサバゲーで想定されるような交戦距離からの被弾一発で割れる代物ではありませんが、メッシュゴーグルには以下三点の脆弱性があります。
- 金属疲労・錆びつきによるメッシュ強度の劣化
- 被弾時にBB弾が砕けて貫通してくる恐れ
- そもそも強度が足りないものがある
特に1.が一番問題です。鉄は塩に弱いため、鉄製のメッシュを採用しているゴーグルは汗にふれるたびに劣化していきます。なので、最初は大丈夫でも数か月後には…?ということもあり得ます。
加えて一部のフィールドではメッシュゴーグルの使用が禁止されています。それに対しては疑問の声もありますが、ポリカーボネートなどを使用した製品に比べるとリスクがあることは間違いありません。