スリングを選ぼう
前回までの記事で一通りの必需品は網羅してきましたが、そろそろ道具が増えてきたので、装備を携行する手段を選びたくなってきたと思います。
前回記事:【サバゲーの必需品】おすすめのガンケース・工具・整備用品
本稿ではサバゲーの2大アイテムの、ライフルとハンドガンを携行するためのスリングとホルスターについて解説していきます。
その理由ピストル・トランジションです。交戦中に弾が切れたときや、CQBエリア等の交戦距離が極端に短いエリアに侵入するときにハンドガンは猛威をふるいます。
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スリングはライフルの携行に必須の装備品です。フィールドイン/アウトするときや、ハンドガンに持ち替えるときに特に重宝します。
結論から言うと、特定の装備へのこだわりがない限り、筆者のおすすめはワンポイントスリングです。
スリングには大きく分けて1,2,3ポイントスリングがあります。それぞれメリット・デメリットがあるのですが、サバゲーにおいてはワンポイントスリングが最もメリットを享受できるタイプであると考えています。
ワンポイントスリングって何?
ワンポイントスリングはその名の通り、銃を一点で保持するスリングです。スリング自体は駅伝のようにたすき掛けし、その下部にあるジョイントで銃のストック基部にあるスリングスイベルに固定します。
プレートキャリアをお持ちの方はプレートキャリアについているベルクロを通せば体の負荷を最小限にして銃から両手を離すことができます。
ワンポイントスリングのメリットは?
一番安い!
ワンポイントスリングは他の種類のスリングと比べて一番安価に入手できるスリングです。それもそのはず使っている材料も少なく構造もシンプルだからです。
パッと手を離せる
これは他のスリングにはないタクティカルアドバンテージです。
ご覧の通り、すぐに両手が空くため素早くハンドガンに切り替えてしっかりと構えることができます。
また、手を離した銃が自分の体にそって真下を向くため、他のプレイヤーに危害を加える恐れがありません。
一方で2ポイントスリングには銃の固定点が2点あるため、上図のように無造作にライフルから手を離せば銃が真横を向いてしまいます。そのため、2ポイントスリングでピストル・トランジションする際には銃を背中に背負うのが一般的です。
しかし、ぶん投げるように背負うのは周りのプレイヤーに危害を加える恐れがあるので慎重に行わなければならず、スピードが落ちてしまいます。
ワンポイントスリングのデメリット
万能に見えるワンポイントスリングにもデメリットがあります。
銃がバタつく
先ほどのGIFをご覧になればわかるかと思いますが、銃口が太ももあたりでバウンドしているのが見えたと思います。ワンポイントスリングは固定点が一点しかないため、体の前後動に合わせて銃口側がプラプラと揺れます。
長時間・長距離の保持に適さない
銃がバタつくことにより長時間の保持には適しません。具体的には銃の荷重がすべてたすき掛けしている片方の肩にかかるため肩がこります。また、長距離を移動する際にはしっかりと背負える2ポイントスリングに軍配が上がります。
陸自の隊員が行進訓練で89式を肩掛けしているのは2(3?)ポイントスリングです。2ポイントスリングは身体に銃をフィットさせられるため、銃の重量を身体全体で支えることができ、体感重量を軽減することができます。
実際デメリットは無視できる
上記で記したワンポイントスリングのデメリットはサバゲーにおいては無視できます。非常に特殊なサバゲー(24時間耐久サバゲーなど)は例外になりますが、基本的にデメリットは無視できてしまいます。
銃がバタついてもいい
多少銃が足のあたりでバタつくことはあまり問題になりません。
それは基本的にハンドガンを使用するタイミングが激しく動くタイミングではないからです。
ハンドガンを使うタイミングは以下の2点が支配的です。
・定点での撃ち合いで弾が切れたタイミング
・閉所での撃ち合い
定点での撃ち合いであれば動かないのでそもそも銃がバタつきません。
閉所での撃ち合いは動きこそ非常にせわしないものの、激しく動くのは上半身なので銃のバタつきはあまり気になりません。
そもそも長時間保持しない
サバイバルゲームの1ゲームは基本的に10分前後。10分経てばセーフティに戻ることになりますし、移動距離も200mも動き回れば多い方です。銃を背負ってのダッシュはたまーにやっている方がいますがロマンの範疇です。筆者はその横を普通にライフルを持って並走しています。
スリングって自分で作れるんじゃない?
1000円少々でそれなりの物が買える装備ですが、本当にどうしようもなくお金がない場合はホームセンターでパラコードと、100円ショップでカラビナを買ってくれば500円くらいで自作することもできます。
工作精度も落ちるし手間もかかるので購入をおすすめしますが…
ちなみにパラコードはこんなもの↓
ちなみに2ポイント・3ポイントスリングは?
2ポイントと3ポイントスリングにもしっかりとしたメリットがあります。
下図は上記の製品の紹介画像です。特に写真の最下部を見てください。写真に使われているのはAKS74N。筆者の愛銃の一つでもありますが、こいつは銃身が長く、1ポイントで吊れば膝にあたり、2ポイントで横に向ければ通路に引っかかる曲者です。
そもそも1ポイントで吊ると重くてスイベルが壊れそうです。
メリット
ガッチリ背中に背負えば身体の動きを邪魔しませんし、ハンドガンで戦っているときにもライフルがしっかりと身体に追従してくれます。
また、広大な森林フィールドでは銃を背負って歩くと腕や肩の疲労を軽減できるため、いざ撃ち合いになったときに腕が疲れておらず有利に戦うことができます。
2ポイント・3ポイントスリングを使うのにおすすめのライフル
プレイスタイルもさることながら、持っている銃がどんな銃かによってスリングを選ぶのも一つの選び方です。基本的に大きくて重い銃を使う場合には銃本体への負荷も考えて2ポイント以上のスリングを使うのがいいでしょう。
東京マルイのエアガンでいえば、
などはマルチポイントがいいでしょう。
ホルスターを選ぼう
ホルスターはハンドガンを携行するための必需品です。ジーパンのポケットにハンドガンを入れておくこともできますが、走れば揺れますし、しゃがめば銃口がポケットの中で引っかかって非常に不快です。
レプリカやオリジナル品を買えばそんなに高い買い物ではありません。実物装備至上主義おじさん(実際の軍隊や法執行機関で使用されている装備品の収集に命を燃やすおじさん)は放っておきましょう。
おすすめのホルスター
おすすめのホルスターはずばりマルチフィットのCQCホルスターです。筆者は安いのから高いのまで色々試しましたが、初心者が最初に買うホルスターなら迷わずにこれをおすすめできます。
AMOMAXのPer-Fitホルスターは本当に万能です。デザートイーグル・コルトパイソン・M93Rなどの特殊なハンドガンは専用ホルスターが必要ですが、近代的なオートピストルがベースになっているハンドガンは大体入れることができます。
理由を詳しく知りたい方のみ読み進めていただければ結構です。
「よっしゃわかった」という方は上記のホルスターを買っていただければ十分だと思います。
マルチフィットCQCホルスターがいい理由
もちろん最高なのは実銃用に製造された、各銃専用のホルスターです。しかしそれらは1万円~2万円しますし、そんなに予算があればもう一丁ハンドガンを買えてしまいます。
そこでレプリカをいろいろ検討するといくつか条件が出てきます。
- しっかり銃をホールドできること
- 素早く片手で銃をドローできること
- 5000円以下がいい
- 単品で運用できること
- 100円グッズでドロップホルスター化できる
筆者が汎用ホルスターを選ぶ際の条件はこれらです。これらの条件すべてを満足する製品は意外と少なく、あちらを立てればこちらが立たずという状態になりがちです。
そこでマルチフィットCQCホルスターが出てきます。
その他の選択肢
Warrior Assault系ホルスター
Warrior Assaultホルスターは布製ホルスターの調整しやすさと樹脂製ホルスターのクリック感のあるホールドを両立したホルスターです。デザインもコンパクトかつスタイリッシュで根強い人気があります。
あえておすすめしていないのは、少し操作性が悪いからです(筆者体感)。このホルスターは樹脂のCQCホルスターと異なり、銃をドローする際のボタンが親指で押す位置にあります。そのため銃を覆うように手を添えてもドローすることができず、少し慣れが必要なためここで紹介しています。
Blackhawk Omnivore
Omnivoreホルスターは少し変わり種のホルスターで、シュアファイヤ製のライトを装着していることが前提になります。そのライトでがっちり固定するため色々なハンドガンが使えるというカラクリです。
ホールド性、ドローしやすさなど非常に優れたホルスターではありますが、値段が少し高いのと、ライトを前提にしてしまうことが理由でおすすめにしませんでした。
おすすめできないホルスター
おすすめのホルスターがあればおすすめできないホルスターもあります。
上図はその代表格、ナイロン製の汎用ホルスターです。
「のちのち別のハンドガンを欲しくなるかもしれないから汎用のホルスターがいいな。できればなるべく安く。」
わかります。わかりますがやめましょう。筆者も、友人も、全員同じことを考えて同じような製品を買い、同じ後悔を経て今に至ります。
後悔ポイントを挙げればキリがないのですが、致命的なのは「カチっと入らずスッと抜けない」という製品の構造です。
あと走るたびに銃の上部を基点にブランブランと揺れるのでめちゃくちゃ邪魔です。