タイトルを見ただけであのシーンが浮かぶ方もいるでしょう。そう、ブラック・ラグーンより三合会の張さんです。
張さんかっこいいですよね。筆者も大好きなので日和っている味方の前でこれをやってヒットするというムーブを月に一回くらいやっています。
本稿は筆者が初心者に「銃で敵を探せ」の次に教える「ビビるな」の回です。初心者が「撃ち合いのコツがわからないよ」となったらまずは「ビビるな」です。それではいきましょう。
ビビると死ぬのがサバゲー
さて、サバゲーにおいて敵を倒す以上に大切なのは敵に倒されないこと。じゃあ壁の裏に隠れていれば安心?そんなことはありません。
サバイバルゲームの撃ち合いは基本的にお互いを認識した状態でバリケードから身を乗り出して撃ち合います。
撃たれる恐怖に震えていたら背後に敵が回り込んできているなんてどうしたらいいかわからなくなりますよね。
これが決まると最高に気持ちいいのですが、やられると無様なものです。これを防ぐためにやるべきことが二つあります。
素早くちらちら顔を出す
これをされると敵は先ほどのGIFのように大胆に動くことができません。つまり、断続的に目を合わせることで敵をバリケードに釘付けにするのです。
こうしている間、自分は動けませんが敵も動けません。
ちなみにこんなことして撃たれないの?という疑問が生じると思うので人間の理論値を計算してみましょう。敵と10mの距離で撃ち合っていると仮定します。
- 視覚が脳に認知されるまで:0.1秒
- 脳が指に指令を出すまで:0.2秒
- 指が引き金を引くまで:0.1秒
- BB弾が銃から発射されるまで:0.1秒
- 弾が自分に届くまで:0.2秒
以上から、どんなに反射神経と精度のいい人でも視認してから弾が届くまでに合計約0.7秒もかかることがわかります。それも百発百中の精度で0.7秒です。0.7秒あれば顔を出してひっこめるくらいのことはできます。
制圧射撃
多少適当でもOKです。敵のいるバリケードに射撃して敵に戦意を見せつけましょう。
根性論のようですが、自分のバリケードが撃たれているという事実は人を動けなくします。あなたの制圧射撃が敵の展開を抑止し、味方が包囲されてしまうことを防いでくれます。
これなら大きなリスクを背負わずに撃つことができます。
ちなみに一人で複数のバリケードに制圧射撃をすることも可能です。
ビビらなければチャンスが訪れる
敵に背を向けずに顔を出し、弾を撃ち、敵をバリケードに釘付けにすればチャンスが訪れます。それまで持久戦に耐えましょう。まどろっこしいと思っても焦って飛び出せばハチの巣です。ぐっとこらえましょう。
敵要因のチャンス
・弾切れ
自分が制圧射撃をするとき、敵も同様に制圧射撃をしてきます。撃ち合っていれば弾も尽きるというもの。相当の手練れでない限り、リロードや武器の持ち替えには数秒の時間を要します。
もしも敵の「リロード!」という声が聞こえたりしたらそれこそチャンスです。堂々とバリケードに乗り込んでしまいましょう。
・相談
意外と多いのが味方と「ここ動けないけどどうする?」と相談しているケースです。この時間はこちらに注意が向いていないので好きな位置に移動することができます。そのまま敵のいるバリケードそのものに張り付いてしまうこともできたりします。
自分要因のチャンス
・援軍の到着
味方が助けに来てくれたなら敵を倒せる確率は一気に跳ね上がります。味方に敵の居場所を伝えて制圧射撃を任せましょう。それで引っ込んでくれる敵プレイヤーであれば、先述したような、バリケードを回り込んで側面から撃ちこむなんていう派手な動きも可能です。
・射撃体勢を確保できた
制圧射撃合戦に勝って敵がバリケードの裏に隠れてくれたらこちらのターンです。敵が顔を出してくるであろう位置に照準を合わせて微動だにしないようにしましょう。これが「ガンロック」という状態で、サバゲーにおいても実戦においても非常に強い状態です。
あの手この手で敵をビビらせよう
敵をビビらせる方法は顔を出すことと制圧射撃だけではありません。その他にもこんな方法があります。
ハンドガンの使用
閉所での戦闘(CQB)や弾切れの際の緊急用というイメージが強いハンドガンですが、ハンドガンを使うメリットはその「音」にあります。
ハンドガンの音は電動であれば非常に小さく、ガスであれば非常に特徴的な大きな音がします。つまり、ライフルとは異なる音が出るので、敵からすると2人以上のプレイヤーがこちらにいると錯覚させることができます。
20mも離れてしまうと音が聞こえなくなってしまいますが、距離が近いほどこの効果は大きくなります。
姿勢の変化
これも敵にこちらの人数を誤認させるための技術です。基本的に射撃は立ち姿勢で行いますが、何度かに一度思い切りしゃがみこんで膝くらいの地上高から顔を出すと相手は一瞬パニックになります。
銃身でよく見えないことも相まって2人が上下に構えてこちらに顔を出しているように誤認させることができます。
ちなみにこれを本当に2人で行うのを「ダブルガン」と呼び、CQBの防衛側においては鉄壁の構えです。
声を出す
最も原始的な手段です。道具もスキルもいりません。恥を捨てるだけです。サバゲーは銃口の先の視覚情報と聴覚情報にすべての神経を集中するゲームです。それを逆手にとって敵の五感のリソースを分散させましょう。
・敵に話しかける
近距離戦闘でかなり有効な戦術です。ふざけているわけではありません。
人質をもって立てこもっている犯人に警察が説得を試みる場面を見たことがあると思います。あれは説得しているわけではありません。諭されて人質を解放するような人は最初から犯罪を犯したりしません。
立てこもり犯への説得(のような行為)は、犯人の注意を人質と突入口から削ぐために行われています。「うるせえ!」と言って空砲を撃ったりすればその瞬間、機動隊が突入して空に向けられた銃がこちらを向くより先に犯人を制圧します。
同じことをサバゲーでもやってみましょう。
・打ち合わせのふりをする
大声で「右から撃ってくれ!」などと言うと、それを聞いた敵は(逆からも撃たれるのか!?)と視線をそらしたり銃口が下がったりします。その瞬間を逃さず制圧射撃や直撃弾を撃ちこみましょう。
・全然関係ないことを言う
効果は微妙ですが、敵の五感のリソースを分散せるためにあえて使われていない嗅覚や味覚に訴える言葉を発してみるのも一つの手です。
「うめぼし!」と言われると唾液が出ると思います。サバゲーの生存率はこういう小さな努力の積み重ねで高まるので、何か一つだけのコツで劇的にヒットを取れるようになることはないのです。
最後に
サバゲーはビビったら負けですが、自分以上に相手をビビらせればいいのです。サバゲーの技術に通底する思想は、常に敵よりも相対的に有利な状況を作ることです。絶対的に安心を感じる状況を作ってもそれは優位ではありません。
ルールの範囲であらゆる手段を使って敵に銃口をこちらに向けさせない方法を考え続けましょう。